第170回芥川賞受賞作。
作中では登場人物が当然のように生成系AIを利用している。そしてなんと、著者が執筆の際に生成系AIを実際利用しており、本文全体のうち数%は生成系AIが生成したテキストをそのまま利用しているらしい。
この本の主張的なことは全然わからんかったけど、主人公である建築家の女の人の文字・言葉に対する異常なこだわりが面白かった。それが何を意味しているのか、何らかの比喩なのか、とかは全然わかんない。でもカタカナのデザインに対してとてつもない嫌悪を抱いているのとか、言葉を発する前に頭の中でこれは自分がする発言として問題ないかどうか脳内会議するのとか(これはちょっとわかる)、別に裏側の意味とか深遠な意味とかわからなくても面白かった。
純文学ってこの表現にはこういう意味があって~みたいな考察とかができたらもっともっと楽しいんやろうけど、それができなくても面白いのってすげえな、と思った。コンビニ人間とかも全然言語化できひんけど、何となく面白かったな~って印象だけが残ってる。
ミステリもうまく批評できるわけじゃないけど、純文学はことさら難しいなあと思う。読み方教えてほしい。